千葉県船橋・市川市場を拠点に、“食の土台”を支える長印船橋青果株式会社。
社員一人ひとりが「食に貢献したい」という信念を胸に、私たちの暮らしに欠かせない“食”の安定供給を担っています。
千葉県船橋市に拠点をおく長印船橋青果株式会社(以下、長印船橋青果様)は、新鮮な青果物を小売・飲食・流通業者へ安定供給する卸売業を営んでいます。長野県に本拠地を構えるR&Cグループのグループ企業であり、同じく長野県に拠点を置くオンクリの代表・土屋はそのご縁で面識がありました。
今回の記事では土屋をはじめとするオンクリの制作担当者と、長印船橋青果株式会社の代表である北村様と担当者の久我様にお話を聞きました。
まず、土屋と初めて出会った時の印象について、北村様と久我様は次のように語ります。
ーーホームページ制作に関しては、2社でのコンペだったと聞いています。オンクリに決めた理由はなんだったのでしょうか。
そんな時、北村様は土屋のフラットな目線が印象的に映ったといいます。
サイトデザインのコンセプトは、「食を夜明けから、見えずとも支える。それが私たちの仕事」です。
そのコンセプトについて、土屋は下記のように語ります。
サイトの構成について、土屋は”夜明け感”が伝わることを意識したと言います。
ワイヤーフレームや配色、キーワードは土屋によって考案され、その後はオンクリのデザイナー陣に担当が変わります。
企業サイトのトップページのデザインを担当した牧野に、デザイン制作のプロセスについて聞きました。
そうしてデザインの土台を作ったあとは、細かいところのデザインを詰めていったといいます。
夜明けらしさはサイトの面積の大半を占める動画や写真で出した方がわかりやすくなります。しかし、もしかしたら気づかれないような細部にまでコンセプトに則って細やかなこだわりを込める。それがサイト全体の統一感や雰囲気を作り出していると言えます。
デザインに関しては、オンクリ社内でも最後まで意見が割れたそう。
ーー当初はどんな案を提案していたのですか?
レイアウト自体はそこまで変わっていないので、劇的な変化にはならないかもしれません。それでもこうした細やかな部分へのこだわりによってサイト全体の印象は変わったといいます。
採用サイト制作を提案するにあたって、お客様と打ち合わせを重ねるうちに、土屋は以下のような印象を受けたと言います。
そう語る土屋ですが、実際面接を受けにきた求職者も、働いている人が優しいからという理由で会社に入るくらい、雰囲気が良いそうです。
市場のイメージというと、なんとなく年配の男性が仕切っているイメージですが、長印船橋青果さんの従業員は大卒〜75歳くらいまでと多様です。
そしてそれぞれがお互いのことを尊重しあって働いています。
なぜそのようなお互いを尊重し合う文化が生まれたのか、そこには市場で働くことの特性が関係しているそうです。
生産者の方や流通業者の方など、さまざまな立場の方と日々やりとりを重ねる現場では、仕事を円滑に進めるために協調性が欠かせません。そうした環境の中で、「まずは相手の話をきちんと聞く」という姿勢が自然と根づき、お互いを尊重し合う価値観が育まれてきたといいます。
そんな雰囲気の良さをぜひサイトを通して伝えたい。そのような思いもあり、オンクリでは以下のようにサイトコンセプトを定めました。
「なんかいい。言葉にはできない雰囲気の良さがあるこの会社で千葉県の食を支える」
コンセプトにもあるように、会社の雰囲気の良さは実際に接して見ないとわからない、”言葉にはできない雰囲気の良さ”をサイトを通して伝える必要があります。そこで、サイトを開くとすぐに晴れやかな表情の社員の皆さんの姿が目に入るような設計にしました。
採用サイトのデザインは、牧野が担当しました。長印船橋青果さんとは直接お会いしたことはないそうですが、それでも会社の雰囲気の良さについては知っていたそうです。
ーーこのプロジェクトを始めるにあたって、土屋から”雰囲気がいい”ということは聞いていたんですか?
ーー何回も話したくなるくらいよかったんですね。
ーーうまいんですね。
そんな前情報があって、企業サイト・採用サイトのデザインを担当した牧野。特に採用サイトに関しては働いている人たちの魅力を全面に出すようなサイト作りが求められます。そのため、サイトのファーストビューにはこだわったといいます。
ーー今のトップページでは社員の方々のお顔がスライドショーで見れるようになっていますが、元々このようなデザインで考えていたのでしょうか?
ーーそれをスライドショーに変えたんですか?
ーーバラバラに配置するよりも、視線が一点に固定されるのでいいですね。
社員の方々のスライドショーの隣には、サイトのコンセプト「なんかいい。言葉にはできない雰囲気の良さがあるこの会社で千葉県の食を支える」の文字が並びます。
ーーこの言葉の配置で何か工夫されたことはありますか?
線があることで、ウキウキ感というか、ホップしているようなイメージを感じることができます。
フォントに関しても企業サイトとは違って明朝体を採用しています。
ーー全体的にすごく柔らかい雰囲気を感じますが、意識してこうした雰囲気を出しているんですか?
トップページ以外のサイトデザインは、オンクリのデザイナーである小林が担当しました。
採用サイトのデザインにおいて、小林が特に印象に残っているページは、「人を知る」というページとのこと。
採用サイトの中で、その企業で働く人の魅力を伝えることはとても重要なことです。そこでオンクリでは社員コンテンツの充実を図るため、現地に赴き社員インタビューを実施したと言います。
小林もインタビューに同行。実際に社員の方々にお話を聞きました。
ーー実際に会うことでより愛着が湧くような感覚がありますよね。
採用サイトにおいて、事業内容をわかりやすく見せることは必要不可欠。そこで採用サイト内では、『長印船橋を知る』という項目のもと、人や数字、仕事内容を主軸にした長印船橋の特徴をまとめたページを制作しました。小林はこの部分のデザインも担当。内容が膨大な範囲に及ぶからこそ、文字ベースではなく図解で情報を載せています。
ーー膨大な内容だと思いますが、苦労した点はありますか?
最初のデザインでは、情報を縦に羅列していたそうですが、タブで切り替わるようにデザインを変更。その経緯について次のように語ります。
チーム一丸となってユーザビリティの向上を目指すことで、クライアントにとってもサイトの読者にとっても価値のあるコンテンツ制作に繋がります。
仕上がった採用サイトについて、社長の北村様と担当者の久我様にお話を伺いました。
ーー仕上がったサイトの印象はいかがですか。
ーー何かお気に入りポイントなどはありますでしょうか。
動画制作では、採用サイト用の社員インタビュー動画4本と、公式サイトのトップページに掲載するタイムラプス動画を制作しました。
代表の土屋がディレクションを、カメラマンの土屋ふみさんが撮影・編集を担当。
撮影は2日間にわたって行われました。公式サイトのタイムラプス動画は、サイトのコンセプトである「夜明け感」を出すために、早朝4時ごろから撮影を開始。そこから1日かけて、公式サイトや採用サイトの写真撮影も行いました。
公式サイトと採用サイトの撮影を同じタイミングで行うことになりますが、その際色味を特に意識したと言います。
写真撮影では、市場で行われているせりの様子も撮影。撮影当時について、土屋ふみさんは次のように振り返ります。
写真を見ると、せりの臨場感や生き生きとした部分がしっかりと映し出されているのが印象的です。
2日目には社員の方々とのインタビュー動画を制作。この動画制作は、オンクリチームにとってとても印象に残る撮影になったそう。
各インタビュー動画の冒頭で、社員4名が共通して「会社の雰囲気の良さ」について語る場面を配置したのは意図的な編集だったと言います。
インタビューにあたっては、「短い時間の中でインタビュー対象者とどれだけ打ち解けることができるか」を大切にしていたと言います。
インタビュー内で話しているのは、職務内容の紹介や働いていて良かったと思うことなど。話す内容としては、もしかしたら動画より文章で読んだ方が良い内容かもしれません。しかし、あえて動画にすることで、社員の方々の雰囲気を知ってもらいたかったと言います。
カメラマンである土屋ふみさんも、良いインタビューにすることを意識していたそうです。
ーー長印の社員の方々とのインタビューはいかがでしたか?
それに加えて、現場では社員側の協力体制が印象的だったと言います。
雰囲気の良さについては、カメラマンのふみさんも言及してくれました。
社員の方々の雰囲気の良さとオンクリチームの良いインタビューにすることへの追求心が、インタビュー動画をよりクオリティの高いものに仕上げたのかもしれません。
今回の記事を書くにあたり、オンクリのチームメンバーが口を揃えて語っていたのは、長印船橋さんの会社に漂う「雰囲気の良さ」でした。仕事への誇り、お互いを思いやる温かな人柄、会社内で尊重し合う空気、一連の仕事を通じて感じたその全てが、サイトのデザインや撮影物など、クリエイティブの源になったと感じます。
現場のリアルな温度を制作物に落とし込めた今回のプロジェクトは、私たちにとっても大きな手応えのあるプロジェクトになりました。
Webサイトリニューアル
https://www.chojirushi.co.jp/funabashi/サイトデザインのコンセプトは、「食を夜明けから、見えずとも支える。それが私たちの仕事」。
市場での業務は、まだ夜が明ける前の暗い時間帯から始まります。人々の生活に欠かせない「食」を、毎日当たり前のように届けるーーそれは決して目立つ仕事ではありませんが、私たちの生活を支えるうえでなくてはならない仕事です。
この想いをサイトを通じて伝えるために、コンセプトに沿ったデザインを考案しました。
トップページには、夜明け前から朝にかけて市場が動き続ける様子を収めたタイムラプス動画を配置。静かな闇の中から少しずつ空が明るくなり、その間ずっと市場が絶え間なく動く様子を視覚的に表現しています。
「食を支えている」ことが、言葉以上に映像で伝わるサイトに仕上がりました。
採用サイト制作にあたっては、多くの社員の方々にインタビューを実施。
その中で印象的だったのが、社員全員が「お互いを思いやり、認め合う心」を持っていることでした。さまざまな年代や経歴の方が、それぞれの知識や経験を尊重し合いながら働く姿に、外部の私たちでさえ「雰囲気がいい」と感じるほどでした。
この魅力を画面越しにも伝えるべく、サイトのコンセプトは「なんかいい。言葉にはできない雰囲気の良さがあるこの会社で食を支える」に決定。サイトを開くとすぐに、晴れやかな表情の社員の皆さんの姿が目に入る設計とし、デザイン面でも過度な主張を避け、あえてミニマルなスタイルにすることで、「言葉にはできない雰囲気の良さ」を表現しています。
採用サイト向け インタビュー動画制作①
https://www.chojirushi.co.jp/funabashi/recruit/about/movie/採用インタビュー動画では、4名の社員の方にお話を伺い、それぞれ1本ずつの動画にまとめました。
各動画の冒頭では、4人が共通して会社の雰囲気の良さについて語る部分を抜粋。採用サイト全体で一貫して伝えている“雰囲気の良さ”を冒頭から感じてもらい、「実際どれほど良いのか?」と視聴者の興味を引く構成にしています。
インタビューでは、業務内容や1日の流れといった実務面に加え、入社前に感じていた不安や、良好な人間関係の理由など、感情にまつわるエピソードも多く取り上げました。社員一人ひとりの言葉を通して、「なんかいい」という感覚をできるだけ具体的に伝える内容となっています。
採用サイト向け インタビュー動画制作②
https://www.chojirushi.co.jp/funabashi/recruit/about/movie/採用サイト向け インタビュー動画制作③
https://www.chojirushi.co.jp/funabashi/recruit/about/movie/採用サイト向け インタビュー動画制作④
https://www.chojirushi.co.jp/funabashi/recruit/about/movie/写真撮影
企業サイトと採用サイト、それぞれのコンセプトをビジュアルで的確に表現するため、撮影時には時間帯や光の加減にまで細心の注意を払いました。
撮影は朝5時から開始。まだ空が暗い時間帯から日の出にかけては、企業サイトのコンセプトである「食を夜明けから、見えずとも支える。それが私たちの仕事」を表現するよう意識して撮影を行いました。
一方で、柔らかな光が差し込む明るい時間帯には、採用サイトのコンセプトに沿って、社員の自然な笑顔や現場の空気感を重視。市場の活気や働く人々の温かさが伝わるよう、表情がよく見えるカットや臨場感ある構図も多く取り入れました。実際にその場にいるようなリアリティと、言葉にはできない「雰囲気の良さ」が感じられる写真を目指しました。