出会い
代表の土屋が前職を辞めた当時、今後どのように仕事や自分の人生と向き合っていくのか方向性を決めるために、地元の経営者にひたすらに話を聞いていた。
堀篭さんもその中の一人で、Twitter(現X)を通して知り合った。
堀篭さんとのそもそもの出会いは、代表の土屋から個人的に連絡を取ったことがきっかけ。
前職を辞めた21歳のとき、今後どのように仕事や自分の人生と向き合っていくのか方向性を決めたかったので、地元の経営者さんにひたすらに話を聞きまくっていたんです。
堀篭さんもその中の一人で、Twitterを通して知り合ったそう。
自分で何かをして事業を成り立たせている人に興味があったんです。
堀篭さんは“薪を売る”ことを事業として軌道に乗せている人。
それまで会社員として生きていた土屋は、堀篭さんのように“自分の力で事業を起こすこと”がどのようなことなのか気になったそうです。
出会いから仕事受注に至るまで
堀篭さんに初めて会った時、代表の土屋は「緩やかな炎のような人」という印象を受けたといいます。
めちゃくちゃ穏やかで優しくて、堀篭さんの周りだけ時がゆっくり流れているような感じなんです。それでいてサービス精神は旺盛で、自身のお客様のことを常に考えているのが感じられました。
堀篭さんから見た土屋について聞いてみると、「とても芯の強い人」という答えが返ってきました。
土屋さんはお客様の話を聞くのが上手で、自分の事業に対してとても芯の強い人柄という印象でした。
初めはお互いの生き方や人生観について話していましたが、オンクリが会社として動き出すことになって徐々に仕事に関する話をする回数も増えてきたそう。
特に最初は、堀篭さんの「薪愛」をもっと多くの人の目に触れるようにしたいと考えていたとのこと。
実は、オンクリがウェブサイト制作をするより前、堀篭さんはご自身で薪に関するコンテンツを執筆・サイトに掲載していました。
堀篭さんの薪に対するこだわりや豊富な知識は本当に深くて幅広いです。堀篭さんの書いたコンテンツを見れば分かることですが、絶対に需要のあるサービスであることがつくづく感じられます。そしてここに堀篭さんの“人間力”が加われば、付加価値としてこのサービスをより魅力的なものにできると思っていました。
実際、薪コンテンツだけで十分な流入数があったといいます。
しかし、当時のサイトはテンプレートで作成したものであり、もっと“らしさ”を表現したいと感じていたといいます。それにはウェブサイトのリニューアルが必要と感じ、土屋にサイトリニューアルの話が来ました。
知識だけでなく、事業への想いなど堀篭さんが自身の中に持つ熱い気持ちは、薪について課題を抱えている人に届くべきだと思いました。
堀篭さんはオンクリ、そして土屋の「提案力」の高さに惹かれたといいます。
お客様に対する提案力の高さや、常にお客様のありのままを伝えるところが依頼しようと思うきっかけでした。ヤラセなどはなく、正直に伝えるところに信頼を感じました。
制作について
制作物①
制作物タイトル:Webサイトリニューアル
制作目的:今あるブログサイトを何か改善していけないかということで始まったプロジェクト。
担当者:Tsuchiya Takaya, Makino Honoka
サイトリニューアルについては、オンクリのデザイナーである牧野に話を聞きました。
【ディレクション段階】
ウェブサイト制作は通常、企画からワイヤーフレーム(画面設計図)の作成、デザインという流れで進んでいきます。
受注から最初のコミュニケーションまでは、土屋が担当。
牧野は先方へのヒアリング内容をもとにワイヤーフレームを引くところから担当しました。
土屋から箇条書きでどのようなサイトにしたいか共有してもらいました。その時点で大まかに構成をまとめてくれていて、例えば今回で言ったら“326-woodsを知る”とか“薪を知る”とか。私はその内容を軸にしてに『こんな要素があったらいんじゃない?』とかを足していく感じでしたね。
そしてワイヤーフレームにはサンプルの写真を埋め込みながら、どんな写真が欲しいか考えて作成を進めます。
サンプルの画像を入れながら、こんな画像があったらいいなっていうのを考えてデザインを作って。それを参考にして、ディレクションしつつカメラマンさんに撮影してもらいました。
撮影を行った際、牧野はここで初めてクライアントである堀篭さんとの対面を果たしたそうです。
当初は土屋がいく予定でしたが、都合がつかず、私がいくことに。撮影ではカメラマンさんが流石の腕前で。欲しいと思っていた素材はイメージ通りに全て撮ることができました。
なお、牧野は326-woodsさんのサイトの文章執筆も担当しています。読むと感じますが、サイト内の文章はどこか温かく、それでいてうちに秘めた情熱がひしひしと伝わってくるようなそんな文章。
僭越ながら私が直接堀篭さんにインタビューさせていただいて。インタビューには軽く1時間くらい費やしました。インタビューした内容はサイト内で大いに活用することができたので、無駄な1時間ではなかったと思います。でも、初稿は直しがめちゃくちゃ入りました笑。『たくさん話したいのはわかるけど、簡潔にしてください』と。
ー愛が溢れてしまったんですね。
そうですそうです。もっと伝えたいって、思いすぎて長くなっちゃったんだと思います。
取材を通して、より一層326-woodsさん、堀篭さんの熱い想いを感じたという牧野。そしてその思いをビジュアルも使って伝えたいという思いで、本格的にサイトのデザイン制作に取り掛かります。
デザインをする際は、土屋からお客様の要望を確認し、まずはそれを落とし込むことを優先して行うそうです。
(326-woodsさんで取り扱っている)楢材の薪って珍しくて。専門に取り扱っている人も少ないし、薪の中でもこだわりのある樹種になります。そしてメインのお客様も軽井沢に多いということで、“高級感”や“上品さ”があると良いと伺っていました。
ーそれはどのようにデザインに落とし込んだのですか?
そうですね、例えばフォントだったらなるべくぎゅうぎゅう詰めにしないデザインにしたり、余白を持たせて風通しの良いデザインにする意識をしていましたね。
筆者が326-woodsのサイトを見てとても良いなと思ったのは、この部分。

実はこの部分、ここだけが縦スクロールではなく横スクロールとなっています。
堀篭さんの薪販売に込める思いを立ち止まって読むことができます。
一体なぜこのような作りにしたのか、そこには堀篭さんの思いを伝えたいと思う牧野の気持ちのこもったエピソードがありました。
やっぱり読ませたいというか読んで欲しいという気持ちがあって。色味もそれまでと違って暗転するようにしました。これは、それまで外向きに事業の話をしているのですが、このパートで(堀篭さんの)心の中の話をする感じになるので、ちょっと落ち着いた雰囲気になるように意識してこの色合いにしました。ここは私も気に入っている部分です。
実際、この部分は周りの反応もよかったそう。情報が多く流れるこの時代、何気なしに画面を縦スクロールする人は多いと思います。しかしこのサイトでは情報を斜め読みするのではなく、一度立ち止まって読むことができます。
このように常にお客様のことを考え、どうしたらその会社の魅力を伝えることができるのか、成果物を通して提供することができるのもオンクリの魅力の1つであると感じます。
デザインに関してもう1つの素敵なポイントは、このメンバーの紹介部分です。

堀篭さんとその家族の眩しい笑顔が印象的なこの部分、実はマウスを当てるとそれぞれの家族のイラストになるという仕組みになっています。

最初は何も想定していなくて。でも写真撮影でお伺いした際にご家族の写真も一緒に撮らせてもらってた時、奥様がイラストを書くのが好きで上手なんですよね、と代表の堀篭さんがおっしゃって。それを活かせないですかねという話になったんです。
堀篭さんの愛情深いエピソードをサイトを通して感じることができます。
実はメンバー紹介部分の背景画像にも奥様のイラストが使われています。サイト全体を通して温かな空気を感じることができるのは、こうした細部へのこだわりがあるからかもしれません。
お客様にとって最善のものを作り上げるために、言われたことをやるのではなく、常に制作物を客観視してどのような情報があると良いのかを考えてサイト制作に反映していると牧野は語ります。
個人的な感覚でしかないですけど。でも独りよがりなサイトになるというよりは、各段階で色んな人の意見が入るっているのは、大事だと思うんです。もちろんお客様の希望が一番大事ですが、より良いサイトにするために責任感を持って仕事をしようというマインドは持ってやっています。
制作物②
制作物タイトル:動画制作
制作目的:事業紹介+堀篭さんのストーリーや人柄を動画を通して伝えるため
撮影期間:4日間
担当者:Tsuchiya Fumiya, Tsuchiya Takaya
オンクリが写真や動画の受託を開始したタイミングで、「326-woodsは絶対に撮りたかった」という代表の土屋から堀篭さんへ声をかけて決まった動画制作。
堀篭さんの穏やかで優しい性格、サービス精神旺盛な姿勢、そして時間がゆっくりと流れるような温かみのある雰囲気が、326-woodsのブランドコンセプトそのものであり、それを動画に載せて伝えたいと思っていました。
とにかくオンクリが制作をしたくて、オンクリ側から声をかけたため、当初堀篭さんに動機があるわけではありませんでした。それでもお話をしているうちに、堀篭さんも「文章では伝わりにくい部分を動画として伝えてほしかった。ホームページをご覧いただく方にインパクトを残したい」と思うようになり、実際に制作を進めることに。
お互いの都合がつくタイミングで制作をスタートしました。
動画制作については、今回の動画制作を担当したカメラマン土屋ふみやさん(2024年までオンクリ所属、現在はフリーのカメラマン)と代表の土屋にインタビューをしました。
ー最初の企画の段階ではどのような動画にしようと考えていたのですか?
動画制作には色々なパターンがあると思います。例えば会社紹介だったらナレーションがあったりとか、今で言うとSNSのショート動画とか。色々な訴求方法があると思うんですけど、オンクリの場合はドキュメンタリー風にする方法を使うことが多いです。対象者にインタビューして、構成していくっていう方法を使ってて。
オンクリが手がける仕事として、お客様の魅力を最大限に伝えるために、想いをインタビューしてそれをダイレクトに伝えるという手法を取ることが多くあります。今回の動画制作も、それを意識してドキュメンタリー風の動画を採用し、企画・構成を考えたといいます。
そうしたドキュメンタリー動画を取るのに欠かせないのは、お客様を理解すること。まずは実際に堀篭さんにお会いして、どのような印象を受けたのか聞いてみました。
オンクリのお客様って、自身の事業に対して強い想いを持つお客様が多いと感じています。堀篭さんにお会いした際も、堀篭さんのお客様に対して事業を通してどのように貢献できるのかについて、常に考えていることが伝わってきました。
熱い想いを感じたからこそ、より一層ドキュメンタリーとして魅力を伝えたいという気持ちが高まったといいます。
ドキュメンタリーとは、ただインタビューをしてそれを映像に収めて終わりかというとそうではありません。
この方法を使うデメリットもあるんです。取材者に依存しちゃうというか、取材者が100%主体になってしまうんですよね。だから、取材を受ける側の想いとか言葉を引き出すための努力をする必要があります。みんながみんな、カメラを向けられてきちんと話せるわけではないので。言葉を引き出すためにできるアプローチの仕方をするように、常に考えるようにしています。
ー堀篭さんを取材したときはいかがでしたか?
取材の際は皆さん緊張されるんですけど、それでもどの方も想いがあってやっている事業なので。堀篭さんも最初は少し緊張されているかなと思いましたが、いざ取材が始まるとたじたじになるとかそういうのは特にありませんでした。そういう意味でも上手に(堀篭さんの)気持ちを引き出せたと思います。
ふみやさんの動画制作にかけるこだわりは、それだけではありません。
インタビューをただ撮って、それらしい音楽を付けたとしても、なんとなくの映像にしかならないんですよね。なので僕の場合だと、まずインタビューした内容を文字で起こしてプリントアウトします。そして言葉の繋ぎとかを見て、『この繋ぎはおかしくないかな』とか、『適切に伝わるかな』とかをしっかり考えるようにしています。言葉の繋ぎを見て、それだけで全部が伝わるようなものにすることを意識しています。
実際に、文字起こししたものを見せてもらいました。長時間に及ぶインタビューをじっくり読み返し、どうしたら取材した相手の想いを正確に伝えることができるのか、土屋ふみやさんのドキュメンタリー動画制作に対する矜持がしかと感じられます。

ここからはどのように動画を作り上げていったのか、実際の動画制作時のスケジュールや感想をもとにご紹介します。
1日目
1日目は木の伐採シーンの撮影で、小諸市の山奥で撮影を行いました。朝10時に集合して、そしたら浅間山がとても綺麗に見えたのでまずはインサート用にと浅間山を撮影しました。そのあとは車で4、5分のところで伐採できる現場があったのでそこに向かい、そのエリアを回りながら切って良い木はもうバッサリ、4本ぐらい切られていたと思います。
2日目
2日目はインタビューがメインでした。あと、材木屋さんへの調達シーンも撮影させていただきました。
実はこの日、追加で薪をお客様のところへ調達するシーンも撮影したといいます。
インタビュー中、堀篭さんが事業を始めるきっかけについて話してくれた際に、薪ストーブが好きという話が出てきました。(事業を始めるきっかけにまでなった)薪ストーブとは一体どんなものかと、実際に見てみたいなと思い、もし可能であれば見させていただけますかとその場で聞いてみました。
そうして薪ストーブの撮影も行ったといいます。ふみやさん曰く、
取材している側も自分事化するというか、その人のファンになるっているのは大事だと思います。なのでなるべく話を広げて、聞きたいことは全て聞けるようにしています。インタビュー時間もそれを考慮して長めに取るようにしているんです。
常に客観的にお客様について考える、ふみやさんのプロフェッショナルな姿勢を垣間見ることができました。
3日目
3日目も、インタビューをする中で出てきた内容で面白そうと感じた、薪を乾燥させるシーンを撮るために急遽予定を変更したといいます。結局、そのシーンは都合が合わず撮影できませんでしたが、薪を割るシーンを撮影し、こうしてドキュメンタリー動画に必要な素材を集め終えました。
最後に、このプロジェクトを通して印象に残ったことについて聞きました。
僕も個人事業主をやっているので思うのですが、やっぱり仕事は情熱や想いがないと成立しないんだなっていうのを改めて実感しました。堀篭さんをみていて思ったのは、何よりも情熱をかけて仕事をすることの大切さです。なので、僕もそういった情熱を体現できるような、撮影だけでなく、クリエイティブができたらいいなとは常々思っていますし、今回改めて感じました。
お客様インタビュー
オンクリが担当した制作物についてお客様である堀篭さんはどのように感じたのか、インタビューさせていただきました。
ー出来上がったウェブサイトをみた感想を教えてください。
ウェブサイト全体のデザイン性が高く、販売製品に対する信頼感を持っていただけるウェブサイトになりました。よく購入してもらう方にも、仕上がりの良いウェブサイトだと褒めてもらえます。
ーウェブサイトで特にお気に入りの部分はありますか?
動画の挿入部分と、スクロールしていくと記事が横にスライドして出る部分です。インパクトが出るので気に入っています。
ー当初行う予定はなかった動画制作ですが、やってみていかがでしたか?
動画制作を依頼するかは最後まで悩みましたが、最終的に制作してよかったです。納得いく動画に仕上げていただきありがとうございます。
ー最後に、オンクリと仕事してみていかがでしたか?
デザインや金額など、言いにくい部分も受け止めてくれて、最後まで真剣に向き合ってくれるところが印象的です。これから先もその時代に合わせたホームページのデザインを提案してください。
あとがき
最後に、今回のプロジェクトについて代表の土屋に話を聞きました。
改めて堀篭さんの印象について、土屋はこう語ります。
堀篭さんは本当に穏やかな人なんです。癒しというか、話し方もゆっくりで声も穏やかです。他人を尊重することを常に意識している印象があって、そして他人を尊重しているからこそ、他人からも堀篭さんが尊重されるなと感じました。
また、仕事を一緒にしていく上で堀篭さんの薪に対する愛をすごく感じたといいます。
本当に薪や炎が好きなんです。薪に関する様々なエピソードをシェアしてくれます。そして『薪ストーブや炎を通してこういう良いことがあったんだよ』という話もしてくれます。堀篭さんは彼のお客様にとって、”薪を持ってきてくれる人”というよりは”自分たちと同じ薪のある暮らしを楽しんでいる人”という立ち位置なんです。まるで近所の別荘仲間のような、そんな立ち位置にいることを側から見ていて思いました。
そうした堀篭さんの自然体な姿が、今回のプロジェクトを進める上でも影響したといいます。
通常、僕たちの仕事って数字がゴールになることがほとんどです。でも、今回はそうではありませんでした。アクセス数がゴールではない仕事だったんです。『どうやったらこの人たちの魅力をまだ知らない人に伝えられるのか』などを考え、堀篭さんの魅力を装飾なしで伝えることを意識しました。
それがうまくいったかどうかは、自分自身ではわからないとしつつも、堀篭さんは「(オンクリが作った制作物は)お客様からの反応がいい」と言ってくれたそうです。そういう意味では、今回のプロジェクトはやって良かったと心から実感できるものになったそう。
オンクリのメンバーそれぞれが、自分の仕事を通してお客様の魅力をいかに伝えるのかを徹底的に考えたからこその結果であると感じます。