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オンクリが地方自治体のマーケティングをしたら

記事を開いていただいてありがとうございます。
僕らオンクリは、企業さんのWeb制作やマーケティングのお手伝いをしている会社なんですが、その施策の内容や制作物はお客さんによって違います。
(その元となる考え方は共通していますけどね!。)
となるといつも、新規のお客さんから相談があった場合は、僕らだったらこうします。
という内容を一緒にお話しして同意いただいた後、実際に受注して色々なことを進めていきます。
目次
ふと思った
ふと思いました。
「オンクリって今まで市区町村や公的な仕事したことないなあ。」
と。
そういったコンペにも参加したことないですし、どうやったら仕事が取れるのかもよく分かっておりません。
やってみたらどうなるのか
僕らが元にしているhubspot社のインバウンドマーケティングの考え方は、セールスでも採用でもECでも活用できると思っているので、今回の記事では架空の市区町村(以後、A市といいます。なんか契約書みたい)をクライアントに見立てて提案を考えてみます。
目標設定
まず、マーケティングのゴールを決めます。
今回は、観光者数&移住者の増加に設定しましょう。
今はどの市区町村もそれに力を入れているように感じます。
全体の流れを考える
次にコンバージョンまでの流れを考えます。
コンバージョンとは今回でいうと、観光者数&移住者数の数値を指します。
例えば、年間の観光者数が1,000人であればコンバージョン数も1,000人になります。
hubspot者のインバウンドマーケティングに当てはめて考えてみましょう。
惹きつける – Attract
まずは、ユーザーにとって有益な情報を用意してターゲットとなる顧客を集めます。
信頼関係を築く – Engage
Attractで集めたユーザーの課題や目標を理解して、適切な解決策を提示します。
満足させる – Delight
顧客に期待を上回るサービス・体験を提供し、課題解決や目標達成へ導きます。
うまくいけば、顧客が新たな自社製品・サービスのセールスとなります。
オンクリで表現する方法でわかりやすく説明すると、
認知
まずは、自社の顧客となりうるユーザーを集める必要があります。
今回だと、自社ではなくA市ですね。
A市への観光や移住によって、課題を解決できるのはどんな人なのか?
大まかですが以下のような例が挙げられます。
- 地方への旅行を考えている人
- 地方への移住を考えている人
- 人生の転機(結婚、出産、子育て)を機にを地方移住を考えている人
あとは、特色を出した記事もいいですね。
スノーレジャーが充実しているとか、食べ物が美味しいとか、子育て支援が厚いとか。
その人たちを集めるにも色々な手段があります。
- SEO
- SNS
- 広告
などなど色々と。
(オンクリではこの中でもSEOだったりSNSでユーザーから自社のコンテンツに接触する→インバウンド手法であるSEOやSNSをおすすめしています。
作ったコンテンツやフォロワーは蓄積されますしね。)
このターゲットに向けてコンテンツ作りをしていきます。
もっと掘り下げてみると、メディアを開設してターゲットに届くように考えます。
例えば、
- 地方移住を考える人のためのメディア
- A市の暮らしを考えるメディア
- A市の観光スポットメディア
とか。
そのメディア内の記事は、
- A市にある暮らしにまつわる店舗を全て紹介する記事
- A市の暮らしを細分化して、食や住、衣に関する記事
- A市の先輩移住者の記事
- A市の移住のリアルをまとめた記事
- 移住に関する気をつけるべきことをまとめた記事
とか書くといいですね。
有益なコンテンツというのは考えれば考えるだけでてきます。
発信する方法は、メディアでもSNSでも、可能であれば両方使えると良いでしょう。
リード化(見込み客化
リード化とかいうと、少し難しそうに感じますが全然難しくありません。
簡単にいうと自社の顧客リストにデータを集めるという意味です。
皆さんが想像しやすいもので言うと、よくあるLPで商品の無料サンプルの送付だったり、資料のダウンロードをするときにメールアドレスなどの個人情報を入力すると思います。
あとはSNSのフォロワーも見込み客に含まれます。
あれはリード化の一つで、その運営元の会社に見込み客として認定されているわけです。
受動的なコンテンツの発信
リード化で見込み客となったユーザーに対して、継続的にコンテンツを発信します。
メルマガだったり、DM、SNSでの発信が考えられますがここで重要なのはユーザーが受動的にコンテンツを受け取れると言う点です。
(個人的に2023年のトレンドは受動的だと思ってます。)
通常、何かを知りたいと思った場合にユーザーは検索してコンテンツに辿り着く必要があります。
しかし、見込み客に対してはユーザーがアクションを起こしていない状態でも、課題や目標に紐づくコンテンツを届けることができます。
(もちろん、全員とはいきませんが今はユーザーの興味度ごとにセグメント分けして内容を変えたり、アクションごとに内容を変えることもできます。)
コンバージョン
その上で、A市への観光や移住によって見込み客の課題解決や目標達成に繋がるのだとしたらコンバージョンに繋がります。
ファン化
コンバージョンしたユーザーを自社の新たなセールス、伝道者になってもらうべく働きかけます。
ここはA市の実際の住みやすさや、観光の満足度に関わる部分なので本質的に僕らが変えられるわけではありません。
しかし、Webの力をつかってそれを助けることができます。
例えば、A市のサイトにチャットボットを設置して、お困りごとから解決までの動線をスムーズにしたり。
ユーザー同士のコミュニケーションを促進する装置を作ったり。お手伝いはできます。
具体的な提案内容
長くなりましたが、ここから具体的な提案に入っていきます。
認知
認知のために、まずはメディアとSNSアカウントの開設を行います。
開設後は先ほど紹介した通り、見込み客となりうるユーザーに届くようなコンテンツを作り、定期的に発信します。
リード化
リード化のための情報は考える必要がありますが、ここでは仮にコミュニティへの参加としましょう。
あとは、やるとするならA市ないで使えるクーポンの配布とか。もしくはふるさと納税とか。
そのためのLPを制作します。
受動的なコンテンツの発信
定期的なメルマガの配信を通して、ユーザーに継続的にコンテンツを届けます。(コンテンツはブログや動画など)
認知のために作ったコンテンツを再利用するでも良いですが、理想を言えばリードに向けたコンテンツは別で考えられると良いでしょう。
それからA市での観光や移住をイメージしてもらう。動画を制作して、継続して発信させてもらいます。
コンバージョン
あとは、コンバージョンに至るまでの動線設計をどれだけわかりやすくできるかです。
今回のコンバージョンはあくまで、移住者数や観光者数であり、相談件数などではありません。
そのため、コンバージョンに至るかどうかで僕らがお手伝いできるのは動線設計まででしょう。
あとは、現場で対応される方であったり観光や移住の本質にかかってきます。
ファン化
リード化のためのお試し観光や移住イベントの開催、移住者コミュニティの開設などを提案します。
移住者コミュニティの開設は長野県佐久市などが実施して、話題になりましたよね。
ものすごくいいリード化だと思います。(例に出した長野県佐久市がリードかと考えているかは分かりません。個人の推測です。)
コミュニティがあれば、容易にコンテンツを届けることもできます。そう考えると本当にいいな。
まとめ
自分でまとめてみて思ったのですが、結局手法が大きく変わることはありません。
変わるのはコンテンツの内容です。
それから今回は内容もりもりで提案考えたのですが、これを全部まとめて行うことは難しいでしょう。
実際オンクリのお客さんは、メディアから始められる方が多いです。理由は、リソースの問題。
予算もそうですし、何より時間です。
提案した全てを実行するには、成果物の制作時だけでなく継続的にA市担当者の方の工数が必要になります。
希望を言えば、マーケティング部署を作っていただきたいくらいです。
でもそれは現実的ではないでしょう。担当の方もお忙しいでしょうし。。
ということで、まずは「人を集める」ことから始めることをおすすめしています。人が集まっていればあとは何を提示するかだけですし、一番難しく根気がいるフェーズでもあります。
以上
読んでいただいてありがとうございました。
インバウンドマーケティングは地方自治体にも絶対に当てはまります。
うまくいっている自治体は無意識にこの流れができているはずです。
それから、インバウンドマーケティングは少しの外注でできます。
例えば、メディアを作るだけなら費用はすごく抑えられますし、SNSであればさらに容易ですよね。
個人的な考えですが市区町村のサイトリニューアルを考えるのであれば、メディアのコンテンツを充実化すべきです!そのリニューアル費用で大量に有益なコンテンツを作ることができます。