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義春は孫に弱し。されどじいちゃんは誰よりも強し。【三日坊主日記】

若者よ!我が祖父を知れ!

このブログのメイン写真を見た人誰もが思うであろう。

「右側の人まじイケメン!」
「ジャニーズにいそう!」
そう。文章越しに黄色い悲鳴が聞こえてきそうなイケメンぷりである。

しかし、、、
今日僕が紹介したい我が祖父はイケメンの右側の人ではなく左側の決してイケメンとは言えない方。
もし右側の人が祖父だったなら、僕は今頃ハリウッドに進出して名前を挙げているか、少なくともジュノンボーイでグランプリを獲得しているだろう。なにも獲得せずここでブログを書いているのが左側の方の孫という何よりの証拠だ。

昨日のブログにも少し書いた我がじいちゃんは今年92歳だが、長野県佐久市で現役バリバリの専業農家として野菜を作っている。

地上最強の生物「じいちゃん」

そんなじいちゃんは僕が小さい頃からいつも家の長として一族ヒエラルキーの頂点に君臨していた。
蛇を素手で掴み投げ飛ばし、真っ黒なサングラスをつけて、そして何より歳を取らない。
皆さんはご存知だろうか?
漫画「範馬刃牙」に登場する「範馬裕次郎」。主人公の父親であり、地上最強の生物である。生身で地震を止める能力を有しており作中一度も敗北していない。
僕にとってじいちゃんは「範馬勇次郎」に匹敵する地上最強の生物という認識だった。

生まれてすぐに伝説を残す

地上最強の生物は昭和5年(1930年)、長野県佐久市望月町に農家の三男として生まれ、その直後に大きな試練を迎える。

生まれつき腸の調子がよくなかったその赤ん坊は乳をあまり飲まず、飲んでも下してしまっていた。
街のさまざまな医者に診察してもらったが全員お手上げ状態。原因も分からずもう長くは生きられないと言われたらしい。

そんなある日、赤ん坊は畑で作っていたトマトに手を伸ばした。普通赤ん坊はトマトを食べちゃだめだけど両親は、
「どうせ長く持たんならなんでも食べさせてみよう。」

そう言ってトマトの汁をチューチューと吸わせた。するとみるみる内に腸の調子がよくなって地上最強の生物に恥じない最強のフィジカルを手に入れたのである。

その他にも、

  • 小学校にまともにいけなかったため、時計の読み方を12歳まで知らなかった
  • 13歳で群馬高崎の軍需工場に働きに出ていた
  • 森をのこぎりとくわだけで開拓した
  • 18歳までに世の中のよくない事は大体やり尽くした
  • 飲み歩きすぎて借金を抱えていた
  • 親父に国からの助成金を持ち逃げされる
  • 祖母と結婚してすぐに建てた家を台風で飛ばされる

などのぬるま湯時代に育った僕には全く想像もできない経験をたくさんしている。
(ここで深掘りしたり他のエピソードを話し始めるとキリが無くなるので割愛)

唯一勝てない「孫」

そんなじいちゃんにも地球上で太刀打ちできないもの。それが「孫」である。

かくいう僕もその「孫」の中の一員なわけだが、他にも9人の孫仲間と10人のひ孫仲間がいる。
母に話を聞くと、じいちゃんは昔それはそれはこわい父親だったらしい。ちゃぶ台は何万回ひっくり返したか分からないし、THE昭和の頑固親父として意味の分からない事でめちゃめちゃ怒りちらしていたそう。

しかし、僕ら孫世代より下はじいちゃんが怒っている姿を見た事がない。じいちゃんが凄く大切にしている農機具を傷つけてしまっても、じいちゃんの血を一族の中で色濃く受け継ぐ我が兄がじいちゃんに対していかなる暴言を吐いてきれちらかそうともじいちゃんは怒らない。

その上、全ての孫に等しく愛を降り注ぐ。孫のやりたいことのために金銭的な援助も等しくしている。

大人になって分かったじいちゃんの凄さ

じいちゃんは先ほども説明した通り、現役専業農家なので91歳になった今でも収入がある。
詳しい金額は知らないが、一説によるとそれなりに稼いでいるとかいないとか。実際に土地込みで家を3軒も建てている。

活動時期は、4月〜11月にかけてで、その時期は基本的に土日だろうが祝日だろうが休みはない。
朝5~6時くらいには起床して休憩を挟みつつ18時くらいまではぶっ通しで働いている。

冬の間は、基本的に趣味の山作業、薪割りをしているが、若い頃は冬の間も働きに出てお金を稼いでいたらしい。
当たり前だけど、夏の間だけでそれなりに稼いで冬も働くのだからお金は稼げると思う。

しかし、じいちゃんは外見を気にしてベンツに乗ったり、100馬力のトラクターを買ったり、豪華な家を建てたりしなかった。
詳しく何に使ったのか本当のところ僕は分からないけども、とにかく子、孫の金銭的援助の額は相当なものだし、孫や子がやりたい事ができなくて困った時、お祝い事の時。

なんの躊躇もなく多大な援助をするが、自分が子や孫10人にそれだけの援助ができるか考えてみると絶対に無理である。じいちゃんの背中はまだまだ見えないし、これからどんどん大きさがわかるにつれて距離の果てしなさも分かってくると思う。

そして「健康」…

まだ説明していないが、僕がじいちゃんを「地上最強の生物」と思っている理由は”健康”さにもある。
91歳だが、自作の薬草ブレンド茶、各種健康飲料&食品を毎日摂取し、朝昼晩にどんぶりにご飯を持って食べていた。

背中も一切曲っていないし、数十キロの荷物を持ち上げることもできるし、1日に5km以上も歩く。農作業中に外的なケガはよくするものの、”健康”という点において弱点は一切ない。

そんなじいちゃんは最近、胃の調子が悪いらしい。
本人曰く、
「最近、食べすぎたからな。」
と言い切っているが、心配なので胃カメラを飲むことになった。麻酔を使って検査をするため誰か付き添いが必要らしい。

でも今日は月曜日。みんな仕事だよね…。付き添いできる暇な奴なんて…。
いた!なんかフリーランスとかいう意味の分からない事言ってカッコつけているやつが!。
はい。僕に白羽の矢がたったのでじいちゃんの付き添いで病院に一緒に行ってきました。
(こういう事があるとフリーランスっていいなと思いますね。)

結果やいかに!?

病院についてじいちゃんは別室に連れられ検査を受けることになりました。

それまでじいちゃんは今まで大きな病気をしたこともない。正直、また「地上最強の生物」っぷりを発揮してなんともないんだろうなと思っていた。
(行きの車の中でじいちゃんは、余裕の試合に向かうチャンピオンの様な不思議な余裕をまとっていた)

でも、検査中にお医者さんに急遽呼び出されじいちゃんの胃の中を一緒に見ることに。お医者さん曰く
「胃から十二指腸への入り口に何かがあって食べた物が腸へ上手く進まないんです。」
らしく。

その後、じいちゃんは麻酔で意識が朦朧とした状態で検査が終わったのだが、すぐに別室に一人で呼び出されお医者さんがなんとも言えない気まずい空気を醸し出して詳しいことは書かないが大きな病気の可能性がある事を伝えられた。
僕は妙に落ち着いて、ショックとか驚くとかはなかった。

一旦、お医者さんの計らいによってじいちゃんには本当の事を伝えない事になった。

すぐに母親に電話して状況を報告したが、一族の中では対立はしていないけども本当の事を伝えるのか、伝えないのかの2つの意見がある。
僕は断然、伝えた方がいいと思う派だけども反対意見を押し切ってそれをしてしまったら反則な気がしているのでそれはしないと思う。

多分勘づいてるなこれ

じいちゃんは帰りの車で、やけに清々しい顔で
「たいそうな身分になったなー。子にも孫にもひ孫にも恵まれ。後悔はないな。」
と言い出した。

僕としては悲しみとか驚きを全く態度に出していないし、お医者さんもそういうのは初めてじゃないだろうから病状を隠して説明する時もちっとも不自然ではなかった。

でも、きっとじいちゃんは薄々勘づいていると思う。自分がいなくなった後は、これをこうすればいい。あれはこうすればいい。などと僕にずっと話していたし、検査が終わった時点で朦朧としている意識の中で別室に呼び出される僕を見ていた事も考えられる。

それに何より自分の体の事は自分が一番分かっているんだろう。

これからどうする!?

さっきも出てきたじいちゃんに本当の事を伝えるか・伝えないか問題がどうなるかは分からないけれど、そもそも自分の体や命に関する問題を他人が判断していいのか??というのが正直な感想で、

普通に考えたら人間は歳をとるごとに、「死」について考えたり、意識したりする時間は増えていくだろうし子や孫よりも正面から向き合っているはず。

だから自分より「死」について考えた時間が少ない人、向き合っていない人間にそれは判断しちゃいけない気がする。のです。

何がどうあれ、じいちゃんを目指して生きる

話が逸れたが、じいちゃんは常にこれからの僕の”目標”である。楽しそうに働き、全ての人を愛し、そして愛される。

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